大腸カメラ
大腸ファイバー検査(Colon fiberscopy、Colonoscopy、CF検査)
目的
腹痛、腹満、便秘、下痢、下血、血便、便潜血(陽性)、大腸がんの疑いなどの精査
前処置
大腸のクリーニングのため下剤の服用が検査に先立って必要です。
当院では以下の方法で下剤の服用をお願いしています。
下剤の飲み方
サルプレップ(富士製薬)480mlを2本、お渡しします。
サルプレップの飲み方
1R | ①サルプレップを1杯(1/4本分)飲む。 サルプレップ120ml |
②水またはお茶を2杯飲む。 水またはお茶250ml |
2R | ①サルプレップを1杯(1/4本分)飲む。 サルプレップ120ml |
②水またはお茶を2杯飲む。 水またはお茶250ml |
*便が透明になるまで、サルプレップ1杯と水またはお茶2杯を交互に飲み続ける。(1R→2R→3R→4R→5R→6R)
*サルプレップは、最低1本半(720ml)、6Rまでお飲み下さい。
6R | ①サルプレップを1杯(1/4本分)飲む。 サルプレップ120ml |
②水またはお茶を2杯飲む。 水またはお茶250ml |
*6R終了時、便が透明になったら、ここで下剤服用は中止してOKです。
*6R終了時まだ便に固形物が混入していたら、8Rまで服用を継続して下さい。本剤2本を超える服用は行いません。
*CF検査の3時間前までに、下剤は飲み終えてください。
*飲み始めは、十分な余裕をもって早めに飲み始めてください。
検査方法
CF検査は、挿入する時、腸管・腸間膜に圧力がかかるため、少なからず痛みを伴います。
そのため、当科では苦痛を和らげるため静脈麻酔を併用します。
静脈麻酔下、まず盲腸まで挿入し、Fiberscopeを抜きながら、観察・診断します。検査時間は20~30分です。
CF検査時、大腸ポリープを発見した場合、可能なもの(入院を要しない)は、その場でポリープ切除を行います。その場合、事前に承諾書へサインが必要です。
CF検査の予約
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
---|---|---|---|---|---|---|
14:00~15:00 | 〇 | 〇 | 〇 | × | 〇 | × |
(16:00~17:00) | (〇) | (〇) | (〇) | × | (〇) | × |
*(〇)は予備検査枠、別途相談
*検査日時のご予約は事前にTELできますが、検査までの間に感染症検査:「HBs抗原、HCV抗体、梅毒検査」の採血が必要です。また、事前に、検査前食・下剤・飲み方説明・承諾書をお渡ししますので、一度ご来院が必要です。
CF検査で診断できる疾患
大腸がん、大腸ポリープ、大腸憩室症・憩室炎、虚血性大腸炎、感染性大腸炎、細菌性大腸炎、潰瘍性大腸炎、クローン病など
CF検査
NBI(Narrow Bond Imaging)観察
色の周波数を制限し観察、がんを発見し安くする。
大腸ポリープや腫瘍の良・悪性の診断、深達度診断も可能。
内視鏡による生検
大腸の粘膜組織を摘まんで、病理検査(がんの確定診断)ができる。
大腸粘膜組織の細菌培養ができる。
CFによる治療
内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 : Endoscopic Mucosal Rejection(EMR)
大腸ファイバー検査(CF検査)の件数のうち、約30%に大腸ポリープが見つかります。
大腸ポリープは主にa.過形成性ポリープ、b.腺腫性ポリープに分かれます。
a.は切除を要しません。
b.は内視鏡的切除を要します。なぜならば、b.は癌化するからです。
発見時、すでに癌化しているものもあります(Ca in adenoma 腺腫内癌)。
私の統計では、8mm以上のポリープのうち20個に1個、癌が見つかりました。
スネア(ワイヤー)でポリープを絞扼、焼灼して切除する。最近、非焼灼のCold polypectomyを術後出血の少ない理由で行うようになって来ました。
術後出血予防のため、粘膜欠損部はクリップを掛け、閉創します。
*(ポリープ切除後の術後出血の予防のお願い):ポリープ切除後の最も重大な合併症は切除部からの術後出血です。
その予防のため、術後24時間の絶食をお願いしています。
絶食中はスポーツドリンク等で脱水予防していただきます。万が一、出血を認めた場合、緊急対応いたします。
内視鏡的大腸粘膜下層剥離術 : Endoscopic Submucosal Dissection (ESD)
これは、やや大きなポリープや早期大腸がんに対する切除法で、入院を要するため当院では行っていません。
早期大腸がん・大腸ポリープがんの深達度:ポリペクトミーでどこまで切除できるのか?
早期大腸がん・大腸ポリープがんの場合、がんの深達度(深部浸潤の深さ)が粘膜下層の浅い部分T1a(SM1)1mm未満 までであればポリペクトミーで治癒しうるけれども、粘膜下層の深い部分T1b(SM2)1mm以上の場合リンパ節転移(+)の可能性があり、リンパ節郭清を含めた外科的手術を追加する必要があります【図2.】。
CF検査の費用(概算)
検査費用 | 1割負担 | 2割負担 | 3割負担 |
---|---|---|---|
検査のみ | ¥3000 | ¥6000 | ¥8000 |
検査+病理検査(生検)×1臓器 | ¥3500 | ¥7000 | ¥11000 |
検査+病理検査(生検)×2臓器 | ¥4500 | ¥9000 | ¥13000 |
検査+病理検査(生検)×3臓器 | ¥5000 | ¥10000 | ¥15000 |
大腸ポリープ切除術(2cm未満)+病理1臓器 | ¥7000 | ¥14000 | ¥21000 |
大腸ポリープ切除術(2cm未満)+病理2臓器 | ¥8000 | ¥16000 | ¥23000 |
大腸ポリープ切除術(2cm未満)+病理3臓器 | ¥9000 | ¥18000 | ¥25000 |
大腸ポリープ切除術(2cm以上)+病理1臓器 | ¥9500 | ¥19000 | ¥28000 |
大腸ポリープ切除術(2cm以上)+病理2臓器 | ¥10000 | ¥20000 | ¥30000 |
大腸ポリープ切除術(2cm以上)+病理3臓器 | ¥10500 | ¥21000 | ¥32000 |
*その他の診察料、感染症採血の料金は別
*病理検査・臓器数:直腸/S状結腸/上行・横行・下行結腸/盲腸のうち、()臓器か?【図3.】